マカロニサラダはサラダなのか?「サラダ=野菜」ではない!語源でわかるサラダの定義
野菜にドレッシングやマヨネーズをかけた料理といえば「サラダ」ですが、マカロニサラダのメイン具材の「マカロニ」は、野菜ではなくパスタの一種です。
それなのに何故、マカロニサラダもサラダの仲間になるのでしょう?
サラダの語源を知ることで、マカロニサラダがサラダである理由が分かります。
マカロニサラダなど野菜以外の具材を使ったサラダ
マカロニサラダやスパゲッティサラダなど、小麦を原料とするパスタを使ったサラダの他にも、ゆで卵から作るたまごサラダのように、野菜以外の食材を使ったサラダは多くあります。
ハムサラダや生ハムサラダ。同じく肉類のサラダでは、ベーコンサラダやソーセージサラダ、豚しゃぶサラダ、ローストビーフサラダ、サラダチキン(鶏むね肉)を使ったサラダなどがあります。
魚介系では、サーモンやエビなどを具材にしたシーフードサラダ(海鮮サラダ)やツナサラダ。海の幸では海藻サラダもあります。
ハムや海藻とあわせて使われるのが、春雨を使った春雨サラダ。
春雨は緑豆やじゃがいも、さつまいもから採取したデンプンが原料です。
じゃがいもが出てきたので、ポテトサラダについて考えてみましょう。
じゃがいもを野菜と認識している方も多くいますが、じゃがいもは「野菜類」ではなく「いも・でん粉類」に分類されます。
そのため、ポテトサラダも野菜以外の具材を使ったサラダになります。
豆も豆類ですから、大豆やひよこ豆を使う豆サラダ、大豆が原料の豆腐サラダも野菜以外のサラダです。
アーモンド・カシューナッツ・ヘーゼルナッツなどを使うナッツサラダは種実類。
キヌアサラダは、スーパーフードと呼ばれる穀物のキヌアを使ったサラダです。
アボカドはサラダによく使用するため、野菜と間違えられることも多いですが、果実類(果物)なので、アボカドサラダはフルーツサラダの一種です。
少しでも野菜が入っていればサラダと呼ぶのか
上記に出てきたサラダは、メイン具材に野菜以外の食材を使っていますが、野菜も入っていることが多いです。
「サラダ=野菜の盛り合わせ」とイメージしている方の中には、野菜も入っていることを理由に「サラダ」と定義づけされる方もいらっしゃいます。
しかし、「サラダ」に「野菜」の意味があるとすれば、「野菜サラダ」という呼び方は間違いとなってしまいます。
サラダの語源を知れば、必ずしもサラダの具材に野菜を入れる必要がないことが分かるでしょう。
サラダの語源と歴史
サラダの語源は「塩」
サラダという言葉は、英語で「salad(サラド)」、フランス語で「salade(サラード)」、イタリア語で「insalata(インサラータ)」、ドイツ語では「Salat(ザラート)」と言います。
これらは同一の語源で、「塩」を意味するラテン語の「sal(サル)」に由来します。
この「sal」から「塩漬けにする」という意味の「salata」という言葉が生まれ、これがフランス南部のプロヴァンス語で「salada」となり、フランス語「salade」を経て英語「salad」となっています。
サラダの歴史とサラダの定義
サラダの語源に出てきた「塩漬けにする」という意味の「salata」ですが、これは古代ギリシャのローマ時代、生野菜に塩を振りかけて食べていたことから生まれた言葉です。
そしてこのサラダ。14世紀末になると、塩以外にオリーブオイルや酢を振りかけて食べるレシピが見られるようになります。
この段階になると「塩」から少し離れ、生野菜をドレッシングで調味した食べ物が「サラダ」と解釈できます。
17世紀後半には、魚やエビ、鶏肉など野菜以外の具材が入ったサラダ。18世紀の終わりにはフルーツサラダも見られるようになります。
日本に「サラダ」という言葉が入ってきた頃には、既に野菜以外の食材も具材として使われていたのです。
これをそのまま解釈すると、食材に調味料で味付けした食べ物は、すべて「サラダ」。おにぎりでさえも塩をふりかけるので「サラダ」となってしまいますが、それは違います。
野菜以外の具材を使っても「サラダ」ですが、サラダの原型は生野菜に塩をふりかけていたものですから、野菜サラダから発展したものに限る必要があります。
また、いくら野菜を使っていても、キャベツやレタスを切っただけで調味しなければ、「サラダ」ではないともいえるでしょう。