お米の消費量ガタ落ちですよ!

いまお米の消費量がガタ落ち…ということはご存知ですか?
今月に入ってコロナウイルスの影響でスーパーの棚からお米が消え、米屋にもお客の注文が殺到しました。という話を聞くと「ほら、日本人はお米好きだから。ガタ落ちなんてそんな…」と思われるでしょう。
しかし今回の騒動は「消費の先取り」でしかなく、買い占めたお客さんのほとんどがお米を家庭で在庫として抱えているだけです。

お米イベントの様子

年間でおの消費量がどれだけ減っているか、ご存知ですか?
実は年間で約10万トン、減ってます。…10万トンって???。いまいちイメージがつきにくいと思います。
年間のお米の消費量は一人当たりにすると約53kgです。そこから計算すると10万トンというのは約190万人の年間消費量分に相当します。
日本の人口が2018年→2019年の間で約43万人減っているので、そのスピードよりも減り方が早いのです。
そう考えると、お米を取り巻く環境はかなり「えらいこっちゃ」な状態です。

白米

色々な説があります。ぱっと思い浮かぶのが「食の洋風化」です。しかし日本人がどのような食物からカロリーを摂取しているのかを調べると「食の洋風化」というよりも「何でも食べるようになった」というのが実態です。
1960年より50年間で見ると小麦の摂取量はあまり増えておらず、むしろ肉類油脂類が増えておりその分お米の消費量が減っています。
ここから見えるのは炭水化物を減らし、や甘いものを食べる現状です。
胃袋にはキャパシティーがあります。米を詰め込む隙間があったら肉や甘いものを!!となっており、何なら米を抜いてもいいんじゃね?となっているのです。
なんでまたこのようなことに…。

鳥取県の産地のお昼ごはん

わたしはその要因の一つに「お米の宣伝不足」があると思っています。
食べ物が無い時代はそれこそ「お米で腹を満たす」で終わっていました。しかし、現代のように食べ物がわんさかある時代ではお米は単に「数ある食物のなかの一つ」に過ぎないのです。

岐阜の圃場

さてそのような現代でお米が多品種展開している背景です。日本でコシヒカリの天下になって数十年。その間、お米消費減退に歯止めがかかっていません。
そこで消費者の目線を変えるために、現状を打破するために、各地で色々な品種を開発し始めているのです。
しかし…それでもお米の減少には歯止めがかかっていません。多品種が出るたびにメディアでは「お米戦国時代」と取り上げて、結果としてお米の宣伝がなされるのですが、あまり効果が出ているとは言えないでしょう。
ここでもう一つの観点…「値段」について考察してみますが、それについてはまた次回!

ライター:小池 理雄