セレン/セレニウム
セレンの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、セレンの基礎知識。
セレンの特徴・働き
セレン(セレニウム)とは、成人の体内に約13mg存在するミネラルで、胃、脳の下垂体、肝臓に多く含まれます。
強い抗酸化力をもつグルタチオンペルオキシダーゼという酵素の成分でもあり、組織細胞の酸化を防ぐことから、セレンは老化予防、動脈硬化の抑制、免疫力の向上、がん予防に有効といわれています。
また、甲状腺ホルモンの活性化させる作用や、ビタミンを再生して活性化する働きもあります。
セレンの上手なとり方
ビタミンEやビタミンCなどと一緒にとると、これらの抗酸化作用が高まります。
セレンは魚介類や内臓肉のほか、セレン濃度の高い土壌で育った穀類や野菜に多く含まれます。日本の土壌はセレン濃度が高いため、国産の穀類や野菜はセレンの含有量が高めです。
セレンの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 推奨量(μg) | 耐容上限量(μg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 10 | 10 | 80/70 |
3~5歳 | 15 | 10 | 110/110 |
6~7歳 | 15 | 15 | 150/150 |
8~9歳 | 20 | 20 | 190/180 |
10~11歳 | 25 | 25 | 240/240 |
12~14歳 | 30 | 30 | 330/320 |
15~17歳 | 35 | 25 | 400/350 |
18~29歳 | 30 | 25 | 420/330 |
30~49歳 | 30 | 25 | 460/350 |
50~69歳 | 30 | 25 | 440/350 |
70歳以上 | 30 | 25 | 400/330 |
妊婦(付加量) | +5 | - | |
授乳婦(付加量) | +20 | - |
妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、該当年齢の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
セレンの不足
日本人は1日平均100μg摂取していると推定されるため、通常はセレンが不足することはありませんが、不足した場合は、免疫力や抵抗力が低下し、動脈硬化、性機能の減退、心筋障害、筋力低下、肌や髪の異常などがみられます。
セレンの過剰摂取
日常の食事で過剰になる心配はありませんが、セレンは毒性が比較的強く、中毒症状を起こすため、薬剤やサプリメントなどでとり過ぎないよう注意が必要です。
中毒症状としては、嘔吐、肌荒れ、爪の変形、脱毛、下痢、しびれ、頭痛、肝硬変、貧血など。急性中毒では、呼吸困難、心筋梗塞などがあげられます。
セレンを多く含む食品・食材
マグロ、カツオ、イワシ、たらこ、あん肝、ズワイガニ、ホタテ貝、牛レバー、豚レバー、スパゲッティ、マカロニ、卵、カシューナッツ、レンズ豆など。