ビタミンB6
ビタミンB6の特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、ビタミンB6の基礎知識。
ビタミンB6の特徴・働き
ビタミンB6とはビタミンB群の一種で、食品からとるだけでなく、腸内細菌によっても合成されるビタミンです。
タンパク質の分解や再合成に欠かせないビタミンで、タンパク質をエネルギーに変え、皮膚や粘膜、髪の健康を維持します。
また、神経細胞伝達物質の合成を助け、脳の神経伝達を正常に保つほか、赤血球の合成にもビタミンB6が関与しています。
ビタミンB6の上手なとり方
ビタミンB6は動物性食品と植物性食品のどちらにも含まれていますが、体内での利用効率が高いのは動物性食品の方です。
牛レバーや豚レバー、牛乳などのビタミンB2を多く含む食品と一緒にとると効率がよく、とくに牛レバーはB6とB2の両方を多く含んでいるためおすすめです。
ビタミンB6の摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 推奨量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 0.5 | 0.5 | 10/10 |
3~5歳 | 0.6 | 0.6 | 15/15 |
6~7歳 | 0.8 | 0.7 | 20/20 |
8~9歳 | 0.9 | 0.9 | 25/25 |
10~11歳 | 1.2 | 1.2 | 30/30 |
12~14歳 | 1.4 | 1.3 | 40/40 |
15~17歳 | 1.5 | 1.3 | 50/45 |
18~29歳 | 1.4 | 1.2 | 55/45 |
30~49歳 | 1.4 | 1.2 | 60/45 |
50~69歳 | 1.4 | 1.2 | 55/45 |
70歳以上 | 1.4 | 1.2 | 50/40 |
妊婦(付加量) | +0.2 | - | |
授乳婦(付加量) | +0.3 | - |
妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、該当年齢の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
妊婦、授乳婦以外の推奨量は、タンパク質食事摂取基準の推奨量をとる場合の値です。
耐容上限量は食事からの量ではなく、ビタミンB6作用をする物質のピリドキシンとしての量です。
ビタミンB6の不足
腸内細菌で合成されるのでビタミンB6が不足することは少ないですが、抗生物質を長期間飲んでいる人や月経前症候群の人、妊娠中の人は、腸内環境の低下から不足することがあります。
欠乏すると代謝異常が起こり、皮膚炎、口内炎、結膜炎など皮膚や粘膜のトラブル、貧血、湿疹、食欲不振などが起こります。
ビタミンB6の過剰摂取
ビタミンB6は水溶性ビタミンで、とり過ぎた分は体外に排泄されるため、通常の食事で過剰症の心配はありません。
ただし、ピリドキシンのみを長期に大量摂取した場合は、手足のしびれ、不眠、神経障害、腎臓結石などの症状が現れることがあるため、サプリメントなどの過剰摂取に注意が必要です。