タンパク質/たんぱく質

タンパク質の特徴働き上手なとり方摂取量目安不足過剰摂取多く含む食品・食材など、タンパク質の基礎知識。

タンパク質の特徴

タンパク質とは、三大栄養素のひとつで、体を構成する必要不可欠な成分です。
英語では「プロテイン」といいますが、プロテインの語源は「第一の」「チャンピオン」という意味のギリシャ語「プロテオス」で、重要な栄養素であることがわかります。
タンパク質は20種類のアミノ酸が多数結合したもので、その種類や数、配列などで性質や働きが異なります。
20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないため食事から補う必要があるアミノ酸は9種類あり、これを必須アミノ酸といいます。

タンパク質の働き

タンパク質は、臓器や筋肉、骨や血液、皮膚や髪などの材料になります。
代謝に欠かせない酵素を作ったり、消化管や脳神経系で機能を調節するペプチドホルモンを作ります。
感染などから体を守る免疫グロブリンも作り、免疫抗体の原料としても不可欠です。
体内では新陳代謝にともない、分解と合成を繰り返しています。
糖質脂質が不足すると、体内のタンパク質がエネルギー源としても利用されます。

タンパク質の上手なとり方

タンパク質は穀類野菜にも含まれていますが、必須アミノ酸がバランスよく配合されアミノ酸スコアの数値が高い牛乳、大豆製品からとった方が、タンパク質の栄養的価値は高くなります。
肉や魚から摂取する場合は、低脂肪の種類や部位を選ぶと効率よく摂取できます。
タンパク質の代謝に関わるビタミンB群(とくにビタミンB6)を多く含む食品と一緒に摂取することで、体内でタンパク質が利用されやすくなります。

タンパク質の摂取量

1日の摂取基準は下表のとおりです。

妊婦初期(付加量)
+0

年齢 推奨量(g)
男性 女性
1~2歳 20 20
3~5歳 25 25
6~7歳 35 30
8~9歳 40 40
10~11歳 50 50
12~14歳 60 55
15~17歳 65 55
18歳以上 60 50
妊婦中期(付加量) +10
妊婦末期(付加量) +25
授乳婦(付加量) +20

目標量は1日の摂取エネルギーに占めるタンパク質の割合です。
体重によって1日に必要なたんぱく質の量は異なるため、体重1kgあたり1g、体重60kgであれば60gともいわれています。
筋トレなどの激しい運動をしている場合は、体重1kgあたり1.5~2gの摂取が必要です。

タンパク質の不足

タンパク質は体全体の機能に関わっているため、不足すると体力低下や免疫力低下を招き、感染症や合併症を誘発します。
血管の壁がもろくなり、血管が傷つきやすくなるため、脳卒中のリスクも高まります。
子どもの場合は、成長障害を起こすことがあります。

タンパク質の過剰摂取

タンパク質をとり過ぎると、窒素を尿に変換して排泄しなければならなくなります。腎臓に負担がかかるため疲労し、機能低下を引き起こします。
また、カルシウムの排泄を促すため、骨がもろくなることもあります。

タンパク質を多く含む食品・食材

鶏ささみ鶏むね肉豚ヒレ肉牛ヒレ肉牛もも肉(皮下脂肪なし)マグロの赤身カツオ(初鰹)紅鮭大豆納豆高野豆腐牛乳プロセスチーズなど。

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