ナイアシン
ナイアシンの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、ナイアシンの基礎知識。
ナイアシンの特徴・働き
ナイアシンとは、ニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で、ビタミンB3とも呼ばれ、ビタミンB群の一種です。
補酵素として、エネルギー源である糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質の代謝に関与し、発育を促進させる働きがあります。
また、アルコールや二日酔いのもととなるアルデヒドの分解を促進する機能もあります。
ナイアシンは皮膚や粘膜の代謝に関わる酵素を助け、皮膚を健康に保つことから、「肌のビタミン」とも呼ばれています。
食品から摂取するほか、体内でも合成され、必須アミノ酸のトリプトファン60mgから1mgの割合で合成されます。
ナイアシンの上手なとり方
ナイアシンの体内合成には、ビタミンB1・B2・B6も必要になるため、これらを含む食品と一緒にとることがおすすめです。
水溶性ビタミンなので、洗ったり茹でたりすると溶け出す場合もありますが、熱には強いため、加熱調理で減少する心配はありません。
ナイアシンの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 推奨量(mgNE) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 5 | 5 | 60(15) |
3~5歳 | 7 | 7 | 80(20) |
6~7歳 | 9 | 8 | 100(30)/100(25) |
8~9歳 | 11 | 10 | 150(35) |
10~11歳 | 13 | 12 | 200(45) |
12~14歳 | 15 | 14 | 250(60) |
15~17歳 | 16 | 13 | 300(75)/250(65) |
18~29歳 | 15 | 11 | 300(80)/250(65) |
30~49歳 | 15 | 12 | 350(85)/250(65) |
50~69歳 | 14 | 11 | 350(80)/250(65) |
70歳以上 | 13 | 10 | 300(75)/250(60) |
妊婦(付加量) | - | - | |
授乳婦(付加量) | +3 | - |
身体活動レベルⅡ(ふつう)の場合です。
推奨量はナイアシン当量、耐容上限量はニコチン酸アミド、()内はニコチン酸の量です。
ナイアシン当量(mgNE)=ニコチン酸(mg)+ニコチンアミド(mg)+トリプトファン量(mg)の1/60
妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、該当年齢の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
ナイアシンの不足
ナイアシンが慢性的に不足すると、ペラグラ(皮膚病・消化管障害・神経障害)にかかりますが、日本では普通に食事をとっていれば不足の心配はありません。
ただし、食事をとらず、大量の飲酒をしているアルコール依存症の人は、注意が必要です。
ナイアシンの過剰摂取
ナイアシンは水溶性ビタミンで、とり過ぎた分は体外に排泄されるため、通常の食事で過剰症の心配はありませんが、サプリメントなどを過剰摂取した場合は、皮膚が赤くなったり、胃腸障害や肝臓障害になることがあります。