パントテン酸
パントテン酸の特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、パントテン酸の基礎知識。
パントテン酸の特徴・働き
パントテン酸とはビタミンB群の一種で、かつては「ビタミンB5」とも呼ばれていました。
パントテン酸の語源は「広くどこにでもある」という意味のギリシャ語で、その名の通り、さまざまな食品に含まれています。さらに、腸内でも合成されるため、不足することはほとんどありません。
パントテン酸は「抗ストレスビタミン」とも呼ばれ、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの合成を促して、ストレスを緩和する作用があります。
そのほか、コエンザイムAという補酵素の構成成分に変化して、三大栄養素である脂質、糖質(炭水化物)、タンパク質をエネルギーに変換する働きや、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす働き、ビタミンCの働きを助けてコラーゲンの生成を促し、髪や肌を健康に保つ働きなどあります。
パントテン酸の上手なとり方
パントテン酸は水溶性ビタミンで、水に溶けやすく熱に弱いため、野菜は生食やスープにすると、損失が少なく済みます。
葉酸やビタミンB6と一緒にとると、免疫力が強化されます。
パントテン酸の摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 目安量(mg) |
男性 | 女性 | |
1~2歳 | 3 | 3 |
3~5歳 | 4 | 4 |
6~9歳 | 5 | 5 |
10~11歳 | 6 | 6 |
12~14歳 | 7 | 6 |
15~17歳 | 7 | 5 |
18~49歳 | 5 | 4 |
50歳以上 | 5 | 5 |
妊婦 | 5 | |
授乳婦 | 5 |
パントテン酸の不足
多くの食品に含まれるため、通常の食事をとっていればパントテン酸が不足することはありませんが、普段からアルコールやコーヒーを多く飲む人は消耗しやすくなっています。
また、抗生物質を常用している人は、腸内でパントテン酸が合成されないために不足して、疲労感や手足のしびれ、知覚障害などの症状が現れることがあります。
パントテン酸の過剰摂取
パントテン酸は過剰に摂取しても尿中に排泄されるため、過剰症の心配はありません。
ただし、薬やサプリメントを大量摂取した場合は、吐き気や食欲不振の症状が現れるといった報告があります。