ビタミンE
ビタミンEの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、ビタミンEの基礎知識。
ビタミンEの特徴
ビタミンEとはトコフェロールという化合物の集まりで、トコフェロールにはいくつかの種類がありますが、最も作用の強いのがα-トコフェロールのため、ふつうビタミンEの量をいう際はα-トコフェロールの量を指します。
ビタミンEの働き
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を抑え、老化の原因となる過酸化脂質の生成を抑制することから、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。
そのほか、新陳代謝の向上や、血行を促す作用もあるため、冷え性や肩こり、頭痛などの改善効果も期待できます。
ビタミンEの上手なとり方
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、炒め物や揚げ物などにして油と一緒にとると、吸収率が高くなります。
抗酸化作用をもつビタミンCやβ-カロテンと一緒にとると、さらに抗酸化力が高まります。
ビタミンEの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 3.5 | 3.5 | 150/150 |
3~5歳 | 4.5 | 4.5 | 200/200 |
6~7歳 | 5.0 | 5.0 | 300/300 |
8~9歳 | 5.5 | 5.5 | 350/350 |
10~11歳 | 5.5 | 5.5 | 450/450 |
12~14歳 | 7.5 | 6.0 | 650/600 |
15~17歳 | 7.5 | 6.0 | 750/650 |
18~29歳 | 6.5 | 6.0 | 800/650 |
30~49歳 | 6.5 | 6.0 | 900/700 |
50~69歳 | 6.5 | 6.0 | 850/700 |
70歳以上 | 6.5 | 6.0 | 750/650 |
妊婦 | 6.5 | - | |
授乳婦 | 7.0 | - |
妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、該当年齢の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
ビタミンEの不足
ビタミンEが不足すると、赤血球の膜が壊れやすくなり、溶血貧血のリスクが高まります。
コレステロールの沈着がしやすくなるため、動脈硬化のリスクも高まります。
そのほか、神経機能の低下、無筋力症、不妊などを招くことがあります。
ビタミンEの過剰摂取
ビタミンEは摂取量の2/3が便として排泄され、体内の蓄積時間が短いため、通常の食事で過剰症になることはほとんどなく、むしろ積極的にとりたい栄養素です。ただし、サプリメントなどでとり過ぎた場合は、頭痛やかゆみのほか、出血傾向になることがあります。
また、血液凝固剤の服用をしている場合は、薬の効果を低下させる可能性があるため、ビタミンEのとり過ぎに注意が必要です。
ビタミンEを多く含む食品・食材
アーモンド、ヘーゼルナッツ、西洋かぼちゃ、モロヘイヤ、パプリカ、アボカド、うなぎ、オリーブオイル、ひまわり油、綿実油、米油、マーガリン(ソフトタイプ)、マヨネーズなど。