牛乳/ミルク
牛乳の特徴、栄養・効能、選び方、保存方法、旬の時期、加工品、種類、仲間など、知っておきたい牛乳の基礎知識。
牛乳の特徴
牛乳とは乳牛から絞った乳汁で、日本で飼育される乳牛の99%がホルスタイン種です。
牛乳が日本に入ってきたのは6世紀ごろとされていますが、広く浸透したのは戦後になります。
乳汁とは本来その赤ちゃんを育てるに当たり、必要な栄養素をすべて含んでいるものです。母乳と牛乳の最大の違いはタンパク質とカルシウムの含有量になります。
母乳に比べ牛乳のタンパク質含有量は約3倍、カルシウムは約4倍になり、比べて炭水化物は2/3です。これは牛が人間に比べて早く大きくなる必要があるため体を作る栄養素が多く含まれているのに対し、人間は脳の急速な発達に必要な炭水化物が多く含まれていることによる違いです。
日本人には牛乳の甘みの元である乳糖を上手に分解できない「乳糖不耐症」のひとが多いとされます。そのようなひとの場合は牛乳を温めて飲むことで、おなかがゴロゴロするのを防げます。
牛乳の栄養・効能
牛乳でもっとも注目すべき栄養素はカルシウムです。日本人に不足しやすい栄養素と言われるカルシウムですが、牛乳コップ1杯分(200ml)で日本人に必要な1日のカルシウム量の1/3が摂取できるとされます。
また牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインをはじめ、ペプチドやタンパク質が牛乳のカルシウムを人間の体に吸収しやすい形へ変化させるため、カルシウムを効率的に摂取できます。
カルシウムは骨の形成に必要なほか、心臓や筋肉を動かすなど幅広い生理機能に不可欠な栄養素です。
さらに牛乳のタンパク質は必須アミノ酸のバランスがよい良質なものであり、ビタミン類もビタミンA、B2を含むなど、さまざまな栄養に富んだ食品です。
牛乳の甘みの元である乳糖は腸内の善玉菌を増やし、腸の働きを助ける効果が期待できます。
牛乳の選び方
すっぱいにおいがせず、固まっていないもので、賞味期限が近すぎないものを選ぶようにしましょう。
牛乳の保存方法
10℃以下の冷蔵保存です。開封後2~3日を目安に飲み切りましょう。
牛乳の旬の時期
通年手に入ります。
牛乳の加工品
練乳、粉乳、チーズ、ヨーグルト、バター、アイスクリームなど。
牛乳の種類
牛乳の種類や規格は、食品衛生法に基づく「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」にて決められています。
以下は牛乳使用割合を100%としているものです。
牛乳
生乳を殺菌し、成分規格をクリアしたものです。成分無調整とし、水分などを加えることは禁止されています。
特別牛乳
特別牛乳さく取処理場業の許可を得た施設で搾乳された牛乳です。特別ルート内でのみ流通が許されます。
搾りたての牛乳を加熱処理殺菌しなくても安全に飲むことができると、国の認証を受けた牧場でとれた牛乳を指します。
成分調整牛乳
生乳から一部の乳成分(乳脂肪分、ミネラルなど)をのぞき、殺菌したものです。
脱脂肪牛乳
生乳から乳脂肪分の一部を除き、殺菌したものです。乳脂肪分は0.5~1.5%です。
無脂肪牛乳
生乳からほぼすべての乳脂肪を取り除き、殺菌したものです。乳脂肪分は0.5%未満です。
牛乳の仲間
以下は「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」にて定められている中でも、牛乳使用割合が定められていないものです。
加工乳
生乳や脱脂粉乳、バターなどの乳製品を原料に、乳成分を増加させたものや減らしたものです。低脂肪乳や濃厚牛乳があげられます。乳及び乳製品以外を配合してはいけません。
乳飲料
生乳または乳製品を原料とし、乳製品以外のものを配合して栄養価や嗜好性を高めたものです。
カルシウムやビタミン、食物繊維を配合した栄養強化型や、コーヒーや果汁、フレーバーを足した嗜好品型、乳糖不耐症のひとのために乳糖を酵素で分解したものなどがあります。
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