ビタミンB1
ビタミンB1の特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、ビタミンB1の基礎知識。
ビタミンB1の特徴・働き
ビタミンB1とは、米やパンなどの糖質(炭水化物)を分解してエネルギーに変えるときに、糖質を分解する酵素の働きを助けるビタミンB群の一種です。
脳神経系のエネルギー源は糖質で、ビタミンB1は精神安定やイライラ緩和に欠かせないことから、「精神のビタミン」ともいわれます。
また、疲労物質である乳酸がエネルギーに分解されるのを促し、筋肉の動きをスムーズにする働きもあることから、「疲労回復のビタミン」とも呼ばれています。
ビタミンB1の上手なとり方
ビタミンB1は水溶性ビタミンで、水に溶けやすく、熱にも弱いため、調理法によって30~50%が失われます。
玉ねぎ、にんにく、ニラ、ネギなどに含まれる臭気成分のアリシンは、ビタミンB1と結合するとアリチアミンという化合物になり、吸収率がアップするので、ネギ類と一緒にとるとよいです。
ぬかや胚芽にビタミンB1が含まれているので、主食を玄米や胚芽米にすると、糖質とビタミンB1が一緒にとれて効率的です。
ビタミンB1の摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 推奨量(mg) | |
男性 | 女性 | |
1~2歳 | 0.5 | 0.5 |
3~5歳 | 0.7 | 0.7 |
6~7歳 | 0.8 | 0.8 |
8~9歳 | 1.0 | 0.9 |
10~11歳 | 1.2 | 1.1 |
12~14歳 | 1.4 | 1.3 |
15~17歳 | 1.5 | 1.2 |
18~49歳 | 1.4 | 1.1 |
50~69歳 | 1.3 | 1.0 |
70歳以上 | 1.2 | 0.9 |
妊婦(付加量) | +0.2 | |
授乳婦(付加量) | +0.2 |
身体活動レベルⅡ(ふつう)の場合です。
ビタミンB1の不足
ビタミンB1が不足すると、糖質の分解ができなくなり、乳酸などが蓄積されるため、疲労感が増大したり、食欲不振になります。
慢性的に不足して欠乏すると、脚気(かっけ)やウェルニッケ脳症にかかる可能性があります。
ビタミンB1はアルコールの分解にも不可欠なビタミンです。アルコールを多く摂取する習慣がある人は、積極的にとるようにしましょう。
ビタミンB1の過剰摂取
ビタミンB1は水溶性ビタミンで、とり過ぎた分は体外に排泄されるため、基本的に過剰症の心配はありませんが、サプリメントなどの大量摂取を続けると、イライラ、不眠、頭痛、かゆみなどが発生したという実験結果はあります。