モリブデン
モリブデンの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、モリブデンの基礎知識。
モリブデンの特徴・働き
モリブデンとは、成人の体内にごく少量存在するミネラルで、主に肝臓や腎臓に含まれています。
痛風の原因となるプリン体を尿酸に分解し、尿中に排泄するには、キサンチンオキシダーゼという酸化酵素が必要ですが、モリブデンはこの酸化酵素の構成成分で、働きを助けています。
また、体内で鉄の利用を高めて貧血を予防したり、糖質(炭水化物)や脂質の代謝を進め、エネルギーになるのを助けたりしています。
土壌中のモリブデン濃度が低い地域では、食道がんの発生率が高いという報告もあることから、がん予防の効果も期待されています。
モリブデンの上手なとり方
モリブデンと鉄、銅をバランスよく摂取すると、血液が効率よくつくられます。
モリブデンの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 推奨量(μg) | 耐容上限量(μg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~17歳 | - | - | - |
18~29歳 | 25 | 20 | 550/450 |
30~49歳 | 30 | 25 | 550/450 |
50~69歳 | 25 | 25 | 550/450 |
70歳以上 | 25 | 20 | 550/450 |
妊婦(付加量) | +0 | - | |
授乳婦(付加量) | +3 | - |
モリブデンの不足
モリブデンは動物性食品、植物性食品のどちらにも広く含まれ、吸収率も高いので、通常の食事で不足することはありません。
静脈栄養などで慢性的に不足した場合は、頻脈、頭痛、夜盲症などの症状が現れたり、発がんの可能性が高まります。
モリブデンの過剰摂取
モリブデンは過剰分を尿中に排泄し、体内量を一定に保つため、過剰症の心配はほとんどありません。
ただし、体内で銅が極端に少なくなると、モリブデンが過剰になり、高尿酸血症、関節痛や関節の腫れなどの症状が現れることがあります。