クロム
クロムの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、クロムの基礎知識。
クロムの特徴・働き
クロムとは、成人の体内に約2~6mg存在するミネラルで、糖質(炭水化物)や脂質の代謝に欠かせない重要な成分です。
血糖値のコントロールに不可欠なインスリンの分泌を促し、血糖値を安定させる働きがクロムにはあります。
また、脂質の代謝をよくして血液中の中性脂肪やコレステロールを正常に保つ働きもあります。
クロムの上手なとり方
クロムはビタミンCと一緒にとると、吸収力がアップします。
亜鉛を多く含む食品と一緒に摂取すると、インスリンの分泌が増強します。
シュウ酸やフィチン酸と一緒にとると、吸収が阻害されてしまいます。
クロムの摂取量
1日の摂取基準は、18歳以上の男女とも(妊婦・授乳婦を含む)10μgが目安量になっています。
クロムの不足
クロムは動物性食品と植物性食品のどちらにも広く含まれ、必要量も微量なので、通常、不足することはありませんが、静脈栄養などの治療によってクロムが不足することがあります。
クロムが不足すると、インスリンの分泌が低下し、高血糖、動脈硬化、糖尿病のリスクが高まります。
クロムの過剰摂取
クロムは吸収率が低いので、偏った食事をしていない限り、過剰症の心配はありませんが、長期に渡って過剰摂取した場合は、嘔吐や下痢などの症状が現れます。
なお、環境汚染物質として知られる六価クロムは、酸化力が強く有毒ですが、六価クロムは金属メッキなどに使われるもので、食品に含まれるのは毒性のない三価クロムです。