マンガン
マンガンの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、マンガンの基礎知識。
マンガンの特徴・働き
マンガンとは、成人の体内に12~20mg存在するミネラルで、骨、肝臓、膵臓、腎臓、毛髪に多く含まれています。
カルシウムやリンと協力して骨の形成を促進し、骨や関節を丈夫にする働きがあり、発育に不可欠な栄養素です。
さらに、マンガンは糖質、脂質、タンパク質の代謝に働く酵素の構成成分となり、タンパク質の合成やエネルギーの生産にも関与しているほか、有害な活性酸素の分解に働くSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という酵素の成分でもあり、組織や細胞膜の酸化を防ぎます。
マンガンの上手なとり方
マンガンは土壌中に含まれているため、動物性食品よりも、葉茶、種実類、豆類、穀類などの植物性食品に多く含まれています。
多量の鉄分と一緒にとると、マンガンの吸収率が低下します。
マンガンの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男女 | |
1~5歳 | 1.5 | 1.5 | - |
6~7歳 | 2.0 | 2.0 | - |
8~9歳 | 2.5 | 2.5 | - |
10~11歳 | 3.0 | 3.0 | - |
12~14歳 | 4.0 | 4.0 | - |
15~17歳 | 4.5 | 3.5 | - |
18歳以上 | 4.0 | 3.5 | 11 |
妊婦 | 3.5 | - | |
授乳婦 | 3.5 | - |
18歳未満、妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、18歳以上の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
マンガンの不足
食品からの吸収率は0.5~3%と低めですが、マンガンは必要量が少ないうえ、植物性食品に多く含まれているため、不足する心配はほとんどありません。
欠乏した場合は、骨の成長障害、血糖値の上昇、生殖機能障害などの原因になります。
マンガンの過剰摂取
通常の食事でとり過ぎることはありませんが、土壌中に含まれているマンガンを粉塵として気道から取り込まれることがあります。
鉱山で働く人が吸い込み、呼吸器障害などのマンガン中毒になることが知られています。