銅
銅の特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、銅の基礎知識。
銅の特徴・働き
銅とは、成人の体内に約70~100mg存在するミネラルで、骨や筋肉、肝臓に多く含まれます。
肝臓でセルロプラスミンという銅結合タンパク質に合成され、鉄がヘモグロビンをつくる際に合成を助けたり、鉄の吸収を促す働きがあり、貧血予防に欠かせないミネラルです。
また、有害な活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という酵素の成分となって過酸化脂質の生成を抑制し、動脈硬化や糖尿病のリスクを低下させる働きもあります。
そのほか、銅は神経伝達に働く酵素の成分になる、コラーゲンやエラスチンの生成に働き、皮膚や骨、血管を丈夫にする、脳の発達を促すといった機能があります。
銅の上手なとり方
サプリメントなどで亜鉛やビタミンCを大量にとると、銅の吸収が阻害されます。
銅の摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男女 | |
1~2歳 | 0.3 | 0.3 | - |
3~5歳 | 0.4 | 0.4 | - |
6~7歳 | 0.5 | 0.5 | - |
8~9歳 | 0.6 | 0.5 | - |
10~11歳 | 0.7 | 0.7 | - |
12~14歳 | 0.8 | 0.8 | - |
15~17歳 | 1.0 | 0.8 | - |
18~29歳 | 0.9 | 0.8 | 10 |
30~49歳 | 1.0 | 0.8 | 10 |
50~69歳 | 0.9 | 0.8 | 10 |
70歳以上 | 0.9 | 0.7 | 10 |
妊婦(付加量) | +0.1 | - | |
授乳婦(付加量) | +0.5 | - |
18歳未満、妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、18歳以上の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
銅の不足
銅は1日の必要量がごく微量で、多くの食品に含まれているため、普通の食事をとっていれば不足することはありませんが、亜鉛やビタミンCの多量摂取の影響などで不足することもあります。
銅が不足すると、ヘモグロビンがつくられなくなり、貧血を起こしやすくなります。銅は毛髪や皮膚などの形成にも関与するため、髪や皮膚の色が抜けたり、髪がちぢれたりすることもあります。
また、コラーゲンの生成にも影響を与えるので、骨粗しょう症や動脈硬化のリスクが高まります。
子どもの場合は、成長障害を起こすこともあります。
銅の過剰摂取
銅はとり過ぎても、そのまま排出されるので過剰症の心配はありません。
しかし、銅鍋で調理したり、銅製の容器に酢の物など酸性の食品を保存した場合は、銅が食品に溶け出します。その食品を摂取することで、嘔吐や下痢などの中毒症状が出ることもあるため、注意が必要です。