亜鉛
亜鉛の特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、亜鉛の基礎知識。
亜鉛の特徴・働き
亜鉛とは、成人の体内に約2gと微量のミネラルです。微量ですが、骨、皮膚、眼の硝子体、前立腺、肝臓、腎臓、筋肉など多くの部分に存在しています。
新しい細胞をつくる体内酵素の成分になり、新陳代謝を促すほか、DNAの複製、タンパク質の合成、免疫力の活性化、抗酸化機能、毛髪の維持、男性の生殖機能の維持などにも関わっています。
また、亜鉛は味蕾(味を感じる舌の器官)の新陳代謝にも関与するため、味覚を正常に保つ働きをしたり、網膜細胞の代謝を高めてビタミンAの代謝を促すため、眼の機能回復にも作用しています。
脳の機能を活性化させる効果があることでも、亜鉛は注目されています。
亜鉛の上手なとり方
動物性タンパク質やビタミンCと一緒にとると吸収率が高まります。
アルコールをとり過ぎると、亜鉛の消費が増加します。
また、大豆や玄米に含まれるフィチン酸、緑黄色野菜に含まれるシュウ酸、加工食品に使われる食品添加物のリン酸塩やポリリン酸などは、亜鉛の吸収を阻害します。
亜鉛の摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 3 | 3 | - |
3~5歳 | 4 | 4 | - |
6~7歳 | 5 | 5 | - |
8~9歳 | 6 | 5 | - |
10~11歳 | 7 | 7 | - |
12~14歳 | 9 | 8 | - |
15~17歳 | 10 | 8 | - |
18~69歳 | 10 | 8 | 40/35 |
70歳以上 | 9 | 7 | 40/35 |
妊婦(付加量) | +2 | - | |
授乳婦(付加量) | +3 | - |
18歳未満、妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、18歳以上の耐容上限量を参考に適度な摂取が大切です。
亜鉛の不足
亜鉛が不足することは稀ですが、加工食品のとり過ぎで吸収が阻害され、不足することがあります。
不足すると、味覚障害、成長障害、皮膚炎、精神障害、生殖機能の低下(男性)などの症状が現れることがあります。
亜鉛の過剰摂取
亜鉛を長期に渡って過剰にとり過ぎると、銅の吸収が阻害され、銅欠乏性貧血を起こします。