リン
リンの特徴・働き、上手なとり方、摂取量目安、不足・過剰摂取、多く含む食品・食材など、リンの基礎知識。
リンの特徴・働き
リンとは、カルシウムに次いで体内に多く存在するミネラルで、成人では約500g存在します。
そのうちの80~85%は、カルシウムと結合してリン酸カルシウムをつくり、骨や歯を形成しています。残りの15~20%はリン脂質として細胞膜を構成し、細胞の成長と分化に働きます。
体液中のリン酸塩は、酸やアルカリの中和、細胞内外の浸透圧の調節、脳や神経、筋肉の機能の正常化に関与しています。
ビタミンB1やビタミンB2の補助因子となり、糖質や脂質の代謝を助ける働きもあります。
また、リンは高エネルギー源のATP(アデノシン三リン酸)の構成成分として、エネルギーを蓄える役割もします。
リンの上手なとり方
リンは食品添加物として、加工食品や清涼飲料水、スナック菓子など多くの食品に含まれているため、不足よりもとり過ぎに注意が必要です。
リンとカルシウムは1:1の割合でとるのが理想的です。
また、ビタミンDが不足していると利用効率が低下します。
リンの摂取量
1日の摂取基準は下表のとおりです。
年齢 | 目安量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男性 | 女性 | 男/女 | |
1~2歳 | 500 | 500 | - |
3~5歳 | 800 | 600 | - |
6~7歳 | 900 | 900 | - |
8~9歳 | 1,000 | 900 | - |
10~11歳 | 1,100 | 1,100 | - |
12~14歳 | 1,200 | 1,100 | - |
15~17歳 | 1,200 | 900 | - |
18歳以上 | 1,000 | 800 | 3,000 |
妊婦(付加量) | +800 | - | |
授乳婦(付加量) | +800 | - |
18歳未満、妊婦、授乳婦は耐容上限量の掲載がありませんが、該当年齢の目安量を参考に適度な摂取が大切です。
リンの不足
通常の食事でリンが不足することはほとんどありませんが、投薬などで不足すると、筋力低下などの症状が現れ、慢性的に不足すると、骨軟化症のリスクが高まります。
リンの過剰摂取
カルシウムの2倍以上の量をとるとカルシウムの吸収を阻害し、骨量や骨密度が低下します。
小児では成長障害を起こすことがあります。
副甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、慢性的になると腎不全のリスクが高まります。