お米の味は「甘い」ではダメなんです。
店頭でお米がただポンと置かれているだけでは、消費者はどれを選べばいいのか分かりません。
しかしお米には「味」「相性の良いおかず」「産地の様子」「品種名のいわれ」「生産者」…そういった「スペック」が溢れています。要はそれを「見せるか見せないか」。
今回、お客さんが最も関心が高い「味」について「見える化」してみましょう。
この目的は相手に「食べてみたい!」と思わせることです。そのためにキーとなるのは「味がイメージ出来ること」「味の違いが分かること」です。
以前、生産者さんと話したときのこと。
小:「皆さんのお米の味っどんな特徴なんですか?」
生:「ウチのお米はねー、甘くて粘りがあるんですよ!」
小:「えーっとですね…それって、今やどのお米も一緒ですよ」。
そう、日本のお米は美味しいのが当たり前。単に「甘い」とか「粘る」だけでは伝わりません。欲しいのは「どれくらい○○なのか」「どんな風に××なのか」です。
そこで僕が編み出したのがお米の味を分析する「お米面接」、略して「オコメン」です。
宮城県産の「だて正夢」でやってみましょう。
まずお米の味を8つの切り口で5段階評価します。
そして味を文章で表現するのです。
こうすれば消費者はお米の味をイメージしやすくなります。
とはいえ、ここまでやるのはかなりマニアック。なぜここまでやるのか?
僕がこのようなことを始めたきっかけはテレビ出演です。
以前、僕は「ヒルナンデス!」によく出演していました。新米の時期になると呼ばれるんですね。僕が案内する体で芸能人の皆さんと一緒に「新米の美味しいいお店」に行くのですが…。
いざ収録。新米を食べて各自感想を。僕は「専門家」枠の出演なので最後の「締め」を言わなければなりません。
最初の人が「美味しい!」、次の人が「この料理に合う~」、三人目が「いや~、甘くて粘る!」…となると、僕の話すことが無くなります。それでも何とかコメントを絞り出しまずが「小池さん、それさっき○○さんのコメントと同じ。別のこと言って!」とダメ出し(笑)。
そんな壮絶?な経験を経て、僕は朝食を食べる度に毎日お米の分析を行うようにしたのです。今ではその甲斐もあり「お米の味のレポート力」では日本有数と自負してます。
さて、お米の味は様々ですがそんなお米はどのように栽培されているのか?について次回触れてみます!
ライター:小池 理雄