日本人の中高齢者で、カレーの長期的かつ頻繁な摂食と良好な認知機能との関係を確認
認知症患者の将来推計
高齢化に伴う認知症患者の増加は、深刻な社会課題になることが予想されています。
カレーの健康機能に関するこれまでの当社の研究
●第一弾(2014年)
血管内皮機能の改善効果を確認。カレー摂取で動脈硬化予防の可能性。
広島大学東幸仁教授との共同研究で、カレーに動脈硬化予防で重要な役割をはたす血管内皮機能を改善する効果があることを2014年に報告しました。酸化ストレスの増大によると考えられる食後の血管内皮機能低下がカレー摂取後では見られず、むしろ改善することが分かりました。
FMD(Flow-Mediated Dilation)は血管内皮機能を測定する指標です。
血圧測定と同様に一時的に腕の血流を止めた後に、血管の拡張率をFMD値として求めます。FMD値は、数値が高い方が血管がしなやかに拡張でき、血管内皮機能が健康であると言えます。健常値の目安は6%以上で、5%未満で血管内皮機能障害が疑われます。
2014年6月28日に英国オンライン科学誌Nutrition Journalに掲載。
ニュースリリース
URL:https://housefoods-group.com/newsrelease/pdf/newsrelease140703.pdf
●第二弾(2019年)
カレー粉およびカレー粉に含まれる複数のスパイスに、PM2.5による炎症反応を抑える効果を確認
~カレー摂取がPM2.5による呼吸機能低下を改善する可能性~
ハウス食品は、京都大学 高野裕久教授との共同研究で、カレー粉およびカレー粉に含まれる4種類のスパイス(クローブ、ウコン、コリアンダー、桂皮)に、PM2.5*)によって引き起こされる炎症反応を抑える効果を確認しました。PM2.5による呼吸機能低下を予防する対策として、複数のスパイスを含むカレーの摂取が有用である可能性があります。この研究成果を、2019年2月1日から3日に開催される第89回日本衛生学会学術総会(名古屋市 名古屋大学東山キャンパス)にて発表。
*) PM2.5は、石炭や石油といった化石燃料や薪などのバイオマス燃料、タバコの燃焼などによって生じる2.5μm以下の粒子状の大気汚染物質のことで、非常に粒径が小さいために肺の奥にまで入り込み、細胞を傷つけ酸化ストレスや炎症反応を生じます。PM2.5の吸入は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などの危険因子と考えられていますが、非常に小さいために、マスクなどで吸入を完全に防ぐことは困難です。
今回の結果から、これまでの報告でカレーの摂取量が多い人で呼吸機能が維持されていたことの理由として、カレー粉の抗酸化作用を通じた抗炎症作用によるものである可能性が示されました。
酸化ストレスや炎症反応は呼吸機能障害以外にも多くの疾患に関与していることが知られており、抗酸化・抗炎症作用の高いカレーの摂取は、様々な健康機能を改善する可能性があります。
2019年10月31日に英国オンライン科学誌Food and Agricultural Immunologyに掲載。
ニュースリリース
URL:https://housefoods-group.com/newsrelease/pdf/20190122_news_release.pdf