乳酸菌発酵果汁飲料が花粉症の症状を軽減

スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じる、鼻や目などのアレルギー症状が「花粉症」です。近年、日本において花粉症に悩む人は増加傾向にあり、社会問題になっています。花粉症シーズン真っただ中、辛い花粉症の症状を軽減する乳酸菌発酵果汁飲料の研究成果についてご紹介します。
花粉症の症状を軽減

花粉症の基礎知識

■花粉症の有症率は年々増加!免疫反応の“過剰”が原因に
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって引き起こされる季節性アレルギー疾患の総称です。
アレルギーとは、卵や大豆などの食品、スギ花粉、ハウスダストなど私たちの体にとって本来無害である物質(アレルゲン)に対して、私たちが持っている免疫系が過剰に反応することです。アレルギー疾患には、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがあり、中でも花粉を原因とする花粉症は日本人の約3割が発症していると報告されています。

花粉症の有症率
花粉症の有症率
出典:「花粉症環境保健マニュアル2019」(環境省)

■免疫細胞「Th1」と「Th2」のバランスが崩れるとアレルギーに
花粉症発症のメカニズムは未だ解明されていませんが、遺伝や生活環境のほか、免疫システムのバランスの崩れが関係すると考えられています。免疫システムとは、外から体内に病原菌などが侵入した場合、それを排除する働きのことで元々体内に備わっています。
免疫システムこの免疫システムにはさまざまな細胞が関わっていますが、中でもアレルギー発症に重要といわれているのがヘルパーT細胞です。ヘルパーT細胞には「Th1」と「Th2」があり、2つの働きがシーソーのようにバランスがとれていると、免疫システムは正しく機能します。
ヘルパーT細胞
しかし、ストレスや生活習慣の乱れなど何らかの影響で「Th2」の働きに偏ったバランスの崩れた状態では、花粉などのアレルゲンに対する免疫システムの過剰な反応が起こり、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどが引き起こされます。

■花粉の飛散は年中無休? 体内に入れないセルフケアを
花粉症を引き起こす花粉は、日本では約60種類も存在し、春先のスギやヒノキだけでなく、秋のブタクサやカナムグラなど、一年中飛んでおり、地域や季節によっても異なります。
花粉症対策は、花粉を体内に入れないように気をつけることです。花粉の飛散情報に注意し、花粉が飛んでいる時期の外出時にはマスクやメガネを着用し、帰宅したら玄関で衣類についた花粉をはらい、洗顔やうがい、鼻をかむなどのセルフケアが大切です。

花粉症と「ラクトバチルス プランタルム YIT 0132」

花粉症有症者の増加に伴い、その対策として抗アレルギー効果のある食品への関心が高まっています。中でも 乳酸菌は、アレルギー症状を緩和する効果があることが報告され、注目されています。
ヤクルトでは、スギ花粉症有症者を対象に、乳酸菌「ラクトバチルス プランタルム YIT 0132」 (以下「LP 0132」) を含む発酵果汁飲料の飲用試験を行いました。その研究成果についてご紹介します。
花粉症

– 研究方法 –
2017年のスギ花粉飛散時期(2月~4月)に、花粉症自覚症状を有する100名(20~65歳の男女)を対象に、ヤクルト本社と国立病院機構下志津病院の鈴木修一小児科医長との共同で、「LP 0132」の飲用試験を行いました。うんしゅうみかん果汁を「LP 0132」で発酵させた乳酸菌発酵果汁飲料を摂取する群と、「LP 0132」を含まない果汁飲料を摂取するプラセボ群に分け、それぞれを1日1本(125ml)を8週間、継続摂取してもらいました。
「日本アレルギー性鼻炎標準 QOL調査票※1」 に花粉症の自覚症状を毎週記入してもらい、また摂取前・中・後に採血し、アレルギー関連の血液パラメーターを測定しました。その結果、次のⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つの研究結果が導かれ、学術雑誌「Allergy」(2019/10/18付)に掲載されました。
※1…日本アレルギー性鼻炎QOL調査票作成委員会が作成した日本人用のアレルギー症状およびQOLの質問票。医療の現場でも用いられています。

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