『京・甘納豆処 斗六屋/有限会社斗六屋(とうろくや)』カカオ豆から作る進化系甘納豆「加加阿甘納豆」を新発売
減少する甘納豆専門店と「加加阿甘納豆」の開発秘話
斗六屋は、昭和元年(1926)に初代・近藤スエノが、インドへの出稼ぎから帰国後、京都・南座前に創業した甘納豆専門店です。まだ女性が創業することが稀だった時代、初代は 「都名物」と掲げ、以降甘納豆一筋に商いをして参りました。
しかし、甘納豆の需要は年々減少傾向にあり、京都では甘納豆専門店がこの4年間で3軒廃業。このままでは、甘納豆そのものがなくなっていく可能性があります。
2017年に私どもが実施した『甘納豆のイメージ街頭アンケート』の30代以下での回答では、「ご年配の菓子」「甘すぎる」などがあがり、若い人に甘納豆に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか、と検討してきました。
そこで、「海外で認められたら、日本の若い人も興味をもつのでは」との仮説をたて、2018年にイタリアで開催されたスローフードの世界大会に甘納豆を初出品。世界中の方に知って頂くと共に、甘納豆と似た洋菓子であるマロングラッセの技術も本場で学んでまいりました。
また、時を同じくして「Dari K」代表の吉野さんとの出会いをきっかけに、“伝統的な甘納豆をそのまま海外に伝えるだけでなく、甘納豆のイメージを根本的に変える必要がある”。つまり、新しい“洋の素材”を使用したカカオ豆を使った甘納豆の開発に着手することを決めました。
「加加阿甘納豆」の完成には構想から3年の月日を要しました。当初、4代目も甘納豆職人としては新人であり、技術も未熟でした。
しかも、カカオ豆が通常の豆類とは成分が全く異なり、吸水から炊き方の時間までも違うため、失敗の繰り返しでした。特に表面のぬめり取りには試行錯誤をしています。
チョコレートにする際は、皮は焙煎してとってしまうのですが、甘納豆では皮付きが必須。しかし、カカオ豆の皮には果肉由来の繊維質がこびりついており、水で戻すと膨み、強いぬめりとなって美味しくありません。この「皮は残しながら、ぬめりだけはきちんと取り除く」下処理方法を模索し続けました。
一度は中断を経ながらも研究を重ね続け、伝統的な甘納豆の良さを残しながらも、新感覚の甘納豆「加加阿甘納豆」は、完成しました。
私どもは、真の美味しさは自然との調和にあると考えています。これからも、「人と自然をつなぐ」をコンセプトに、環境に配慮した生産者と共に、美味しく健康的な菓子づくりと、日本の食の文化財である甘納豆の創造的承継に取り組んで参ります。
【テレビ番組『京都知新』放映告知】
2020年12月20日(日)朝6時15分~6時30分 MBS毎日放送(4ch.、関西2府4県)に「加加阿甘納豆」が取り上げられます。放送後は、下記サイトにて全国視聴可能です。
https://www.kyoto-chishin.com/tv/2020/
【会社概要】
会社名:有限会社斗六屋(屋号:京・甘納豆処 斗六屋)
店舗(本社)所在地:京都府京都市中京区壬生東大竹町5番地
設立:1982年9月(創業1926年)
代表取締役:近藤 健史(4代目)
事業内容:京 甘納豆の製造・販売
URL:http://torokuya.com/
営業時間 木金土 11:00-17:00(土は16:00迄)
定休日:日月火水(臨時休業有り:ホームページに掲載)