蚕沙(カイコの糞)を原材料に使用した蒸留酒「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」

コオロギラーメンなどで知られる、昆虫食の魅力を探究するチーム『ANTCICADA(アントシカダ)』(代表・篠原祐太)と、 千葉県夷隅郡大多喜町の『mitosaya薬草園蒸留所』(代表・江口宏志)が、蚕沙(カイコの糞)を原材料に使用した蒸留酒「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」を共同開発。7月26日にリリース、オンラインショップなどで販売を開始します。

蚕沙(カイコの糞)を原材料に使用した蒸留酒の画像

「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」の特徴

drawing by Nigel Peake

drawing by Nigel Peake


蚕沙(カイコの糞)は、古くから、漢方として愛飲されてきました。“蚕沙” と書いて “さんしゃ“ と読み、血液の流れを良くしたり、神経痛や関節痛、胃痛に効くとされています。また、カイコの幼虫は、桑の葉を好んで食べるので、糞は桑の葉の未消化物。煎じて飲めば、桑の葉茶を思わせる上品な香りが楽しめます。

今回、「自然からの小さな発見を形にする」ことを目的に、様々なフルーツやボタニカルを原料にした蒸留酒を製造する、「mitosaya薬草園蒸留所」と出会い、それぞれのボタニカルの特徴を最大限に引き出す技術や探究心と、それらを支えるお酒への深い愛に、ANTCICADAの持つ食への想いが重なると感じ、本商品開発に至りました。

今回開発した「SANSHA – Mulberry and Silkworm droppings」は、桑の実であるマルベリーのブランデーと、桑の葉をカイコが食べたあとの未消化物である蚕沙のスピリッツをブレンドするという、桑という種を通じて生まれた2つの自然物を蒸留酒にした、世界でも類を見ない製品に仕上がりました。

100mlと500mlの2サイズ展開

100mlと500mlの2サイズ展開

原料には「アシザワ養蚕」(山梨県で約150年続く養蚕農家の6代目・芦澤洋平さん)の蚕沙を使用。カイコから鮮度の良い糞を収穫し、丁寧な乾燥と熱処理を加えた、安心安全な蚕沙です。

本商品は、玉露のような奥深いグリーンな香りが特徴で、プルーンや海苔のようなニュアンス、桑の実の滋味深い香りを、ほのかな酸味とともに感じられるオー・ド・ヴィ。飲み口はフレッシュで、心地よい余韻を楽しめます。ミルクチョコレートや、アールグレイのシフォンケーキ、カラメルの効いたプディングなどと一緒に、軽く冷やしてストレートで飲んでいただくのもオススメです。

開発への想い

ANTCICADAは、昆虫食の魅力を伝える活動をしています。
ゲテモノや害虫など悪いイメージが先行しがちな虫ですが、近年では、栄養価の高さに加え、環境負荷が低く、持続可能性が高い食材としても世界的な注目が集まっています。そして何より、豊かな個性や滋味深い風味など、食材としての魅力に溢れています。
そんな虫たちを食材として扱う上で、大事になるのが生産者の存在。

カイコの画像

カイコは蛹や糞も利用できる。可能性は無限大だ。


カイコも、繭が絹(シルク)の素材となることから重宝され、古くから人間と密接に関わりを持ってきた虫でした。そしてまた、養蚕業は、日本の近代化を支えた一大産業でもあります。しかし近年では、世界恐慌の余波や、化学繊維の登場により、需要は減少し、担い手の数も激減。一時は数百万軒あったと言われる養蚕農家も、現在は全国で250軒ほどと言われています。
そして、養蚕農家さんも新しいあり方を模索している状況です。
アシザワ養蚕を営む親子の画像

アシザワ養蚕を営む親子(左:芦澤洋平さん)


芦澤洋平さんからも、本製品に対して「養蚕農家の私自身、いつも育てているお蚕の糞がブランデーになると聞き理解が追い付きませんでした。味の追求だけではなく、素材を通して伝えたい思いや技術の挑戦に挑んだ結果実現した商品だと思います。今回は蚕沙を通して食へのアプローチをする機会を頂けて嬉しく思います。長年飼育してきたお蚕に新しい切り口、こだわりを持って生産に携われる事、またそれを実現してくれたお蚕の魅力や可能性に感服致します」とコメントいただきました。

これからもANTCICADAは、生産者さんと二人三脚で、まだまだ未発掘な虫たちの可能性を探究し、皆様に驚きと発見を届けていけるよう励んでまいります。