• HOME
  • 美容・健康
  • 【正しいヨーグルトの選び方】今こそヨーグルトの菌や機能に注目!味や価格で選んではもったいない!

【正しいヨーグルトの選び方】今こそヨーグルトの菌や機能に注目!味や価格で選んではもったいない!

今年は感染症予防意識から、健康維持・増進への関心が高まり、ヨーグルトの購入意向が上がっていると言われます。ヨーグルトは「大腸劣化」対策に役立つビフィズス菌などの善玉菌を手軽に摂取できる食品で、現在多くの種類のものが販売されていますが、購入時は「とりあえずいつものヨーグルトを買っておこう」などと、何となく選んでしまうことが多いようです。

正しいヨーグルトの選び方

何となくでヨーグルトを選んではもったいない!

2019年にヨーグルト購入の際の重視点(重視点・最重視点)を聞いた調査では、普段ヨーグルトを食べている人の6割以上が「味」や「価格」で選んでいることが明らかになっています。
日々の食生活の中に取り入れやすいだけに、何となく同じものを買っている、もしくは昔から馴染みがあるものを変わらず食べ続けている、という方が多いのかもしれません。それに対して、効果効能で選んでいる人は全体の約4割、菌で選んでいる人は約2割と、比較的少ないのが現状です。一口にヨーグルトと言っても様々な種類や効果効能、菌のはたらきがある中で、「何となく」で選ぶのは、実は非常にもったいないことです。そこで、今回は、何となくで選ばない!得するヨーグルトの選び方を管理栄養士の柴田真希先生にうかがいましたのでご紹介します。

ヨーグルト購入時の重視点調査結果

出典:男女1,000人に聞いた「健康と腸活に関する調査(2019)」 調査機関:(株)ネオマーケティング

自分に合うヨーグルトの菌を探してみよう

市販のヨーグルトには、各商品異なる様々な菌が含まれています。
ヨーグルトはもともと乳酸菌の発酵作用によって作られるため、全てのヨーグルトに乳酸菌が入ってますが、ビフィズス菌はそのヨーグルトに添加されるものであり、そのため全てのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではありません。
ビフィズス菌と乳酸菌を「同じじゃないの?」と混同している人は少なくありませんが、両者は定義が異なるまったくの別物です。いわゆる乳酸菌とは、食物繊維やオリゴ糖を食べて産生した代謝産物の50%以上が乳酸であるものを指します。ビフィズス菌は産生する代謝物のうち乳酸の産生量が50%に満たないため、乳酸菌の定義には当てはまらないのです。

ビフィズス菌と乳酸菌の特性の違い

ビフィズス菌の大きな特徴として、乳酸の他に短鎖脂肪酸の一種である酢酸を産生することが挙げられます。酢酸は殺菌作用・抗炎症作用・腸管バリア保護機能などさまざまな機能を持ち、近年では抗メタボ作用も認められたことで、大腸劣化やお腹まわりの強い味方として注目が集まっています。
またそれぞれの棲息場所も異なります。酸素があると生きられない(偏性嫌気性)ビフィズス菌は主に大腸、酸素があっても生きられる(通性嫌気性)乳酸菌は小腸に棲んでいます。消化管の一番奥にあり、酸素がほとんど無い大腸における比率は、ビフィズス菌999に対して乳酸菌はわずか1と言われています。
ビフィズス菌と乳酸菌の特性の違い

食べ続けて実感!ヨーグルトの効果

ヨーグルトの菌には、腸内環境改善効果を始め、尿酸値の上昇を抑制する、内臓脂肪を減らす、さらに歯茎や口内の状態を健康に保つなど、さまざまな健康効果・機能が認められているものがあります。

●ヨーグルトの菌の健康効果・機能の一例
・腸内環境改善・おなかの調子を整える
・腸内環境改善・便秘改善
・食後尿酸値の上昇を抑制
・内臓脂肪を減らす
・歯茎を丈夫で健康に保つ
・口腔環境を良好に保つ

参考:消費者庁ホームページ掲載
販売中の「特定保健食品(トクホ)及び「機能性表示食品」商品(個食)2020年7月末現在

このように、ヨーグルトは入っている菌がそれぞれ異なり、その菌によって得られる効果が異なるため、自分の目的に合ったものを選んで買うことがとても大切です。さらに、そもそも大腸における腸内細菌の構成は人によって異なり、理想のバランスもそれぞれに違うため、「これがいいかな?」と思えるヨーグルトを見つけたら、2週間ほど食べ続けてみることをおすすめします。そうすることで、その菌が自分に合っているかどうかがわかってきます。2週間食べ続けて効果を感じてきたら、その菌はあなたに合っているということです。ぜひ食べ続けて効果を享受し続けてください。ビフィズス菌による短鎖脂肪酸産生など、摂取した善玉菌が体に嬉しいはたらきをしてくれるのは、それらが大腸に滞在している間だけです。ヨーグルトの効果をしっかりと体に還元する意味でも、自分に合うヨーグルトを見つけたらそのまま食べ続けるようにしましょう。
他にもヨーグルトに含まれる菌の効果は、メーカーや専門機関の研究者により、肌トラブル改善や免疫力向上、花粉症の症状抑制など新たなものが次々と報告されています。その可能性は今後もますます期待できるといえるでしょう。

■管理栄養士 柴田 真希先生
女子栄養大学短期大学部卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。27年間悩み続けた便秘を3日で治した「雑穀」や「米食の素晴らしさ」を広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。現在はお料理コーナーの番組出演をはじめ、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムを掲載する他、食品メーカーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。
管理栄養士 柴田 真希先生

■「大腸劣化」対策委員会
日本では大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病など大腸に関する大きな病気が年々増加し、日本人の「大腸劣化」は深刻化しつつあると言われます。「大腸劣化」対策委員会では、「大腸」の機能が衰えることで、全身の健康リスクが高まっている状態を示す「大腸劣化」の認知を広げ、毎日の生活のなかで対策に取り組んでいただくための活動を行っています。
その活動の一環として、ヨーグルトの選び方の紹介や4つのカラダの悩み別のヨーグルト組み合わせレシピを公開しています。